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Lactobacillus helveticus Rosell-52 と Bifidobacterium longum Rosell-175の摂取は、不安感を調節

Lactobacillus helveticus Rosell-52 と Bifidobacterium longum Rosell-175の摂取は、不安感を調節

プロバイオティクスは、宿主の免疫系と腸の機能に有益な影響を与えます。

プロバイオティクスを利用し、脳腸軸を通じて心の健康の改善を図るというアイデアが最初に登場したのは、1880年のことです。しかし2006 年まで、このアイデアが非臨床試験でも試されることはありませんでした。

プロバイオティクスが脳腸軸にもたらす利点は、いくつかの研究とメタ分析で示されています。近年、プロバイオティクスまたはその増殖基質を併給した27試験のメタ分析では、抑うつと不安に対して有意な改善が認められて います [Liu 2019]。留意すべきは、解析に用いたプロバイオティクスの効果は一定ではなく、菌株によって異なる という点です。プロバイオティクスが もたらす有益な機能のほとんどは、菌株の違いに依存します。

プロバイオティクスの有益な効果は、腸内マイクロバイオームの構成の変化によるものであると、誤って認識されることがよくあります。しかし研究の結果、プロバイオティクスは宿主に直接作用することが示されています。効果を得るために、必ずしも微生物バランスの調節が必要であるわけではありません [Liu 2019]。例えば繊維を主とするプレバイオティクスは、マイクロバイオーム の構成を大きく変化させます。しかしプロバイオティク スは不安や抑うつに関連する行動に対して有益な影響を もたらす一方、プレバイオティクスはその作用を持たな いと結論付けられています [Liu 2019]。 マイクロバイオームは何らかの鍵を握っています。しかし脳腸軸の分野において、その調節は必ずしも最重要の機序ではありません。 今日までに行われている研究は、使用したプロトコルや菌株、評価項目に違いがあり一様ではありません。これは臨床研究と非臨床研究の両方に当てはまります。プ ロバイオティクスが脳腸軸にもたらす潜在的効果をまず探るには、非臨床試験がベストな方法といえます。

Lactobacillus helveticus Rosell-52 と Bifidobacterium longum Rosell-175 の組み合わせは、脳腸軸に関して最も多くの科学論文が報告されているプロバイオティクスです。この組み合わせの機能は、現在5件の臨床試験と9件の非臨床試験で裏付けられています。そしてさまざまな経路を通じて、脳と腸の双方向コ ミュニケーションに有益な影響をもたらすことが示され ています。この革新的な分野において、こうした一貫した結果が得られるのは珍しいことです。同一のプロバイオティクス製品を用いて様々な研究を実施することで、 脳腸軸について多くのことが分かってきています。

健康な成人を対象とした調査

Lactobacillus helveticus Rosell-52 と Bifidobacterium longum Rosell-175 を組み合わせたプロバイオティクスであるセレバイオームの摂取に関する最初の臨床試験が報告されたのは、2008年のことです [Diop et al., 2008]。この試 験では、頻繁なストレスに曝された健康な成人を対象 に、二重盲検無作為化試験を実施しました。被験者は3週 間にわたり、セレバイオームまたはプラセボのいずれかを毎日摂取しました。そして、視覚的アナログスケール (VAS)を用いて、症状を自己評価しました。

3週間後の結果から、プロバイオティクス摂取群では、ストレスによる胃腸症状が49%減少したことが確認されました。 減少した症状には腹痛や悪心などが含まれ、膨満感や鼓 腸の減少を報告した被験者もいました。

その2年後、心理的ストレスの改善を調べるため、慢性的にストレスを受けている健康な成人を対象とした臨床 試験が実施されました[Messaoudi et al., 2010]。 この二重盲検無作為化試験の被験者は、プラセボまたは本製品のいずれかを経口摂取しました。そして被験者 は、不安、抑うつ、ストレスに関する各種の有効な心理 的評価尺度を用いて評価されました。さらにストレスバイオマーカーとして、24時間畜尿による尿中遊離コルチ ゾール(UFC)を測定しました。プロバイオティクス群の被験者にはセレバイオームを、対照群にはプラセボを 30日間提供しました。

1カ月後のデータから、本製品を毎日摂取することで心理的な苦痛が有意に軽減 され、不安や抑うつによくある感情(具体的には、身体 的な不調や気分の落ち込み )に有益であることが分かり ました。 この臨床試験では、脳腸軸には双方向コミュ ニケーションという特徴があることが示されました。

ストレスに対処するためにプロバイオティクスを使用するという考え方は、受け入れられ支持されつつあります。その実例としてカナダ保健省は、本製品に「一般的な不安感を調節する」働きがあることを認めています[Claim NPN 80021343] 。

参考文献

  • Liu, R. T., et al. (2019). «Prebiotics and probiotics for depression and anxiety: a systematic review and meta-analysis of controlled clinical trials.» Neuroscience & Biobehavioral Reviews.
  • Diop, L., et al. (2008). «Probiotic food supplement reduces stress-induced gastrointestinal symptoms in volunteers: a doubleblind, placebo-controlled, randomized trial.» Nutrition Research 28(1): 1-5.
  • Messaoudi, M., R. et al. (2010). «Assessment of psychotropic-like properties of a probiotic formulation (Lactobacillus helveticus R0052 and Bifidobacterium longum R0175) in rats and human subjects.» British Journal of Nutrition 105(5): 755-764.

投稿日 Mar 12, 2025 | 最終更新日 Apr 2, 2025

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